2008年06月10日

新興不動産


新興不動産株の信用力に再び懸念が広がっている。日本格付研究所(JCR)がゼファーやアーバンコーポレイション(URBAN)など


新興の不動産会社を相次いで格下げしたためだ。株式市場関係者は資金調達コストの高騰を懸念している。不動産市況の先行き悪化懸念が高
まる中、今期から棚卸し資産の会計基準厳格化もスタートした。急成長してきた新興不動産会社の経営は正念場を迎えている。
 「当社も格下げされるかもしれない」――。ある不動産会社のIR担当者は戦々恐々としている。JCRが2日からマンション分譲、不動産流動化事業デベロッパーに対して、緊急レビューを始めたためだ。「デベロッパーの資金繰りが従来想定していた以上に急速に悪化を見せている」ことがレビューの理由。対象会社は明らかにしていない。 レビューを受けてJCRは4日、URBANをトリプルBマイナスからダブルBプラスに格下げした。1段階とはいえ、ダブルB格では公募普通社債の発行は難しくなる。JCRは反社会的勢力との取引発覚を受けて監査法人が監査意見不表明を発表したスルガコーポレーションと、連結子会社が破産を申し立てたゼファーの2社を5月30日に格下げしたばかりだった。 業種別日経平均株価で不動産は年初来安値を付けた3月17日を底に上昇に転じていた。格下げされた会社の株価は急落し、「不動産に対する信用収縮懸念は一段落した」との楽観論が強かった株式市場は冷水を浴びせられた格好だ。 格下げにより公募普通社債の流通価格は下落している。日本証券業協会の公社債店頭基準気配(9日発表)によると、2010年6月償還のゼファー債の利回りは23%(価格は額面100円当たり68円に下落)に達し、09年12月償還のURBAN債の利回りも23%(同76円に下落)まで上昇している。 金融機関も不動産会社向け融資を極端に絞っている。市況悪化のなかで急増した棚卸し資産の販売不振を懸念しているためとみられる。今期から会計基準が厳しくなり、棚卸し資産の時価が下がると、毎期評価損を計上しなければならない。例えば100億円の在庫が1割値下がりすれば10億円の評価損計上となる。これまでのような“塩漬け”は不可能となる。 3月期決算の不動産会社66社を対象に調べたところ、45社の棚卸し資産が純資産を上回っていた。例えば、不動産流動化のセイクレストは棚卸し資産が48億円と純資産(1億4700万円)の約32倍に達する。
 三菱地所や三井不動産、住友不動産のような多くの賃貸不動産を保有する企業は、安定したキャッシュフローを確保しており、信用力に不安はない。一方、ここ数年で急成長してきた不動産会社の多くは不動産の売却によるもうけに利益を頼っている。地価上昇局面では、借入金をテコに総資産を膨らませた会社が勝ち組となった。だが、売却益頼みの経営は行き詰まりつつあり、新たなビジネスモデルの確立が必要になっている。
posted by porsche at 11:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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